02-24

工事内容18

工事内容18-外壁通気工法

00【登場人物】
01【外壁通気工法】

00【登場人物】

ウェルズホーム 菅原君 監理担当
美輪さん兄 棟梁
美輪さん弟 棟梁と双子の大工

01【外壁通気工法】  2004.12

我が家は、外壁通気工法を採用している。水切りと外壁の隙間から進入した空気は、外壁と外壁下地の隙間(胴ぶちの厚さ)を通って軒裏、および棟へと流れる。通気層を塞がないよう外壁の下部と水切りとの距離を10mm程度確保して外壁を張る必要がある(公庫仕様書P198)。

水切りすきま写真
外壁と水切りのすきま11.4mm

また、水切りの底には小さな穴がいくつもあいていて、ここから進入した空気は、基礎パッキンの隙間を通って床下へと流れる。つまり、水切りには、3つの役目があると言える。
1.外壁を伝って落ちる雨水が基礎内に流れ込むのを防ぐ、文字通りの水切り。
2.外壁通気の入り口。
3.床下換気の入り口。

梱包箱に書かれていた納まり図に加筆して水切りの設置図を示す。右は実際の設置写真。水切りは、胴ぶちの下部に釘打ちされる。

水切りの設置図 水切りの設置写真
水切りの設置図 水切りの設置

通気量は、設計審査時にも提出が必要な項目なので公庫仕様書P110に細かく規定されている。棟換気をする場合、天井面積の1/900以上の軒裏吸気孔と1/1,600以上の棟排気孔が必要だ。

軒裏は穴のあいたボードが何箇所か付けられ、この穴から通気する。商品名ノキフネン(ナショナル)を使用。
穴あきボード1枚当りの有効換気量は、建材メーカーで規定されており0.019m2。この数値で必要換気量を割れば必要枚数の計算ができる。しかし、棟換気は換気量の計算が難しい。

ウェルズホームさんでは、棟換気の無い軒裏換気のみで検査をパスできるだけの設定(天井面積の1/250以上)になっていた。詳しい計算は、「小屋裏換気計算書」(A4サイズ1枚)にて確認済み。実際は、これプラス棟換気がつく訳だから、換気量は問題なし。

場所ごとに詳しく見てみる。大工さんは、外壁通気工法をよく分かっていて随所に工夫が見られた。
まずは、軒裏。穴のあいたボードとあいてないボードがバランスよく配置され、専用の接着剤で固定されていた。妻側の屋根勾配が付く部分は、上部に穴のあいたボードを集中させている。空気は上に抜けるので、理にかなった施工だ。

妻小壁の垂木には、□30mmほどの通気口がいくつもあいているので、ここから通気する。パネル組立工場のオノツカさんで加工済みの部分だ。ここにつながるよう大工さんが胴ぶちに溝を加工している。問題なし。

軒裏通気孔(妻側) 妻小壁の垂木
軒裏通気孔(妻側) 妻小壁の垂木と胴ぶちに溝加工

下屋部分(デッキ上)は、穴のあいたボードがなく全てストライプが入ったボードが付いていた。デザイン優先か?小さな妻小壁の部分から通気することになる。ここはちょっと通気量が少ないかも?

また下屋と2階壁がぶつかる部分は、胴ぶちに通気用の溝が加工がされており、ちゃんと気配りされている。ちなみに、ここに水切りは付かない。アスファルトルーフィングと屋根を壁に沿って250mm立ち上げ、雨水の進入を防ぐようにしている。

下屋部分(デッキ上) 下屋と2階壁の胴ぶち
下屋部分(デッキ上) 下屋と2階壁の胴ぶち

自分がこだわったのは、2階壁と2階屋根がぶつかる部分の通気層の確保だ。2階天井裏には、断熱材として吹き込み用グラスウールが厚さ200mm施工される予定だ。天井根太は206なので高さ140mm。これが軽く埋まってしまう厚さだ。このままグラスウールを吹き込むと、通気層が塞がれてしまうのでは?と心配した。

菅原君と棟梁に相談したら、公庫仕様書P164を参考に通気層を確保するための「せき板」を付けてくれた。こうしておけば、「せき板」でグラスウールがせき止められるので、通気層を塞ぐ心配はない。安心だ。

せき板と通気層の図 せき板の設置
せき板を設置して通気層を確保 せき板の設置

棟換気も付けられた。屋根の上にまたちっちゃな屋根(商品名てっぺん)がついた感じでかわいい。「てっぺん」は、メッシュ状になっている。工事に立ち会っていないので詳細不明だが、棟の部分のアスファルトルーフィングを切り抜いて通気口を作り、その上にちっちゃな屋根を付けたと思われる。
2階の屋根裏点検口から登り、棟部分が外に通じているかを確認した。問題なし。

棟換気の設置 屋根裏の通気層写真
棟換気の設置 屋根裏から見た通気層

「工事内容18」おしまい。

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