02-07

工事内容01

工事内容01-地盤調査の方式〜根切り修正

00【登場人物】
01【地盤調査の方式】
02【地盤調査】
03【地盤調査結果】
04【JIOの回答】
05【着工前立会い】
06【やりかた】
07【根切り】
08【捨てコン打設】
09【根切り修正】

00【登場人物】

住まいの水先案内人 堀さん サポートサービス
LAND TECH - 地盤調査会社
ウェルズホーム 成田君 営業担当
志賀君 設計担当
菅原君 監理担当
小和滝工業 橋本専務 基礎屋さん

01【地盤調査の方式】  2004.09

JIOの地盤調査では、調査方式を「SS方式」と「表面波探査方式」から選択することになっている。費用はどっちを選んでも同じらしい。SS方式が一般的だしこれで行うつもりだったが、JIOのパンフレットによると、もし地盤改良が必要になった場合、地盤改良検査は「改良後、表面波探査法で検査する」と謳ってある。ならば、最初の検査も「表面波探査法」で行っておいた方がよいのでは?とも考えた。地盤改良前後で検査方式が違うのでは、地盤改良工事の評価として良くないのでは?という考え。

「住まいの水先案内人」の堀さんに聞くと、「SS方式で良いのでは・・・」とのこと。それぞれに一長一短があり、
・SS方式(手動)・・・作業者によりバラツキが発生する。
・SS方式(機械)・・・測定結果が、安全側に出る。
・表面波探査法・・・一般的に広まってないが、正確に測定できるらしい。

JIOにもメールで、同様の問合せをした。以下、返信メールの内容。
どちらが優れているという事はない。
表面波探査試験は非破壊方式なので、表面が固い地盤、礫、ガラ等がある地盤でも調査ができる。しかし、土質が表層しか判別できない。
SS方式は、ロッドを地中に貫入させて地盤の強度を調査する方式なので、ロッドに付着した土から土質を推測でき、更に水位も推察する事もできる。但し、ガラ、礫等の硬い物にあたった場合にそれ以上貫入できなく測定不可になる場合がある。

う〜ん、やっぱ悩むやん。両方で検査したらええやん。って、そんな金ないし。。。最初にSS方式でやっとけば、次に表面波探査試験を受けて両方やれるやん。って、そういう問題やないし。。。
地盤改良するって決まってる訳やないし、土質を推測できるのはいいなあ。

悩んだ挙句、SS方式(機械)で行うことに決定。


02【地盤調査】  2004.09

朝9時からJIO指定業者「LAND TECH」さんの地盤調査が始まった。
ウェルズホームの成田君も立ち会ってくれた。成田君は、昨日のうちに敷地に地縄張りをしておいてくれた。いつもお世話になります。ありがとうございます。調査方式は、SS方式にするか表面波探査方式にするか悩んだが、無難にSS方式(機械)とした。

機械は、ジオカルテGeokarteU(日東精工)で、作業者は1人だった。測定ポイントは、建物の4隅と中心付近の合計5箇所。北側奥から「Z」の文字を書くように、順番に測定を行った。

機械の外観は、耕運機みたい。。。キャタピラの付いた台車に測定装置が載っている。1台300万以上するらしい。先端がスクリューになっている貫入ロッドと、それを回転させるモーターと、上下させるモーターが付いている。上下する部分にはオモリが乗せられ、貫入ロッドはMAX100kgの重さがかかった状態で地面に突き刺さる。重さは自動で切り替わるらしい(詳細は不明)。

ジオカルテ写真
ジオカルテGeokarteU

貫入ロッドは1本の長さが75cmなので、75cmごとに作業者が継ぎ足しながら、測定を行う。土の中の様子は、ガリガリ(石まじり)か、ジャリジャリ(砂まじり)かを作業者が入力することもあれば、機械が勝手に判断することもあるらしい。砂は良くなく、粘土層が良いとのこと。

オモリ上昇写真
モーターでオモリが上昇

地盤が柔らかければ、モーターのトルクで貫入ロッドを回転させなくても、自重でズブズブと沈んでいく。これを「自沈層」という。これがあるとヤバイ。
地盤が硬ければ、自重では沈んでいかないので、モーターのトルクで貫入ロッドを回転させ沈めていく。貫入ロッドの沈む距離と回転数は自動でカウントされ、記録される。回転は半回転(180度)を1回とカウントする。この回数が多いほど地盤が硬いという訳だ。

機械にはモニターが付いており、こんな感じに表示される。

D=
W=1.00kN
Na=
NSW=
トルク=50Nm
換算N=
Dは、現在の深さを示す。
Wは、オモリの重さを示す。1kN=100kg
Naは、半回転した回数を示す。
NSWは、1m当りの半回転数を示す。
トルクは、ロッドに加えられたトルクを示す。
換算Nは、粘性土:0.03W+0.05NSW  砂質土:0.02W+0.067NSW
(粘土層で、自沈層でない場合、W=100を式に代入するとN値は3以上となる。)

地盤が硬い場合とか、地中にレキがあった場合など、モーターで貫入ロッドを回転させてもなかなか沈んでいかないことがある。この機械では、15mm沈むのに15半回転を超えると、一時停止するらしい。
一時停止した場合、作業者がハンマーで貫入ロッドの上部を3回打撃し、測定を再開する。半回転数が合計で100回になると、そのポイントの測定を終了する。(手動の場合、60回で終了らしい。)一時停止が7回あれば、100半回転以上したことになる。

測定が終了したら、別の機械で貫入ロッドを地中から引抜く。ロッドをくわえて油圧で引抜く機械なのだがこれが見ていて非常におもしろい。アドニスママは、こっちの動画を撮っていた。

引き抜き写真
貫入ロッドの引き抜き

貫入ロッドを引抜いたら、先端のスクリューに付いた土を観察する。作業者は、「土を親指と人差し指で丸めて、丸まったら粘土だ」と言っていた。スクリューに付いた土は、どの測定ポイントも粘土で、また水の付着などもなかった。5箇所の測定で、1時間45分かかった。

さて、気になる結果の方だが、自沈層が存在した。特にポイント4の表面は、ズブズブって言うより、ヒューって吸込まれていく感じ。幸い、すぐに止まってくれたがこの時はあせった。
表層以外はとても硬い地盤だった。通常の測定は深さ7mぐらいまで行うらしいが、どのポイントも2〜2.5mで測定を終了した。硬くて貫入ロッドが入っていかず、半回転数が合計100回を超えたためだ。表面波探査方式で検査した方がよかったか?

作業者の人は、「全体的に硬い地盤ですが、補強するかどうか判断するのはJIOなので。。。」と言っていた。表層に自沈層があるのは、「以前建っていた工場を取り壊して埋め戻した土地だから」だと推測しているが、判断は任せるしかないし、10年保証を受けるためにも、ここでけちる訳にはいかない。はたしてどんな判断が下されるのだろうか。

その後、測定ポイントの高さを測定した。まず、敷地の中央付近に三脚付きのレーザー発振器 VP-150Aを置き、水準器で水平レベルを合わせる。受信器が、発振器からのレーザー光を受光すると、ピピピピピーと音で知らせてくれるので、メジャーと受信器を持って各測定ポイントへ行き、高さを測る。測定結果は自動で記録してくれないらしく、自分でメモしていた。
また、基準点として東側道路上の消火栓フタの高さも測定していた。敷地は、道路から15〜30cmぐらい上がっているようだ。

敷地高さ測定の写真
敷地高さ測定

最後に、写真撮影と後片付けを行い、11時20分に作業終了。検査結果は、来週にも出てくる。


03【地盤調査結果】  2004.09

JIOの地盤調査の結果が届いた。ウェルズホームさんの打合せの時に、「ベタ基礎で施工せよ」とのファックス1枚は見ていたが、詳細な報告書は届いてなかった。メールで「報告書をいつもらえのか」問合せたら、「測定後1週間から10日程かかります」との返事。もう10日過ぎてます。やっと来たって感じ。JIOさん遅い。

報告書には、SS方式(手動)の説明や換算N値がデーター、グラフで示されていたが、待った割には内容が中途半端っていうか、なぜ「ベタ基礎で施工せよ」となったのか、その根拠がよくわからん。「こんな報告書でいいのか?」ということで、ウェルズホームの志賀君が、JIOに問合せてくれることになった。


04【JIOの回答】  2004.10

志賀君の「いきなりベタ基礎の判定が出てますが、判定基準とか沈下量の判定はないのですか?」との質問に対するJIOの回答書がファックスにて届いた。

「判定は沈下量も考慮した以下の基準によりますが、物件ごとに許容支持力、沈下量の算定を提出しているものではありませんのでご了承ください。」とのこと。難しい計算は置いといて、結果だけをまとめると、

敷地の許容支持力は「20KN/m2」であり、木造2階建ての基準「12KN/m2」をクリアしている。沈下量は「3.3cm」であり、基準「5cm」以下をクリアしている。

ので、「ベタ基礎」で大丈夫とのことらしい。ファックスには計算式が載っているが、難し過ぎて手が出ない。「ほらね。難しくてわかんないでしょ。どうせ言っても無駄だから、物件ごとに計算結果を知らせないのよ。」って、JIOに言われた訳ではないが頭が悪くて理解できない自分が悲しい。。。おとなしく、調査結果に従います。

公庫仕様書3.4.1基礎工事の一般事項(P21)によると、ベタ基礎の長期許容応力度は20〜30KN/m2となっており、満足しているので問題ないだろう。とりあえず、地盤改良工事が不要で良かった。


05【着工前立会い】  2004.10

着工前の立会いということで、雨だったが、現地集合。まず、敷地の境界杭と、建物の位置について確認を行う。敷地には建物予定地に地縄張りがされているので、杭から地縄までの距離をメジャーで確認した。西側1,000mm、北側1,500mm離れていて図面通り。問題なし。

次にGLの設定と排水の処理について確認。地盤調査によると、東側道路の消火栓蓋をベンチマーク(BM)として、建物の北西が+250mm、北東が+130mm、中心付近が+300mm、南西が+290mm、南東が+230mmとなっている。平らな土地だと思っていたが、実は凸凹しており、凹になっている所には小さな水たまりができていた。水が溜まらないよう、GLはBM+300mmで設定した。

また、東側道路と、北側U字溝に向かって下り勾配が付くため、当初の浄化槽の位置(北東隅)では浄化槽の頭が地面からかなり出っ張るとのこと。それでは見た目が悪いし、ここは、お客様用の駐車スペースにするつもりなので、出っ張りは都合が悪い。浄化槽の位置を、もっと建物寄り(カーポート下)に移動し頭が出ないようにお願いした。

その後、近隣に菓子折りをもって挨拶回りをした。着工したら騒音とか色々と迷惑をかけるだろう。これから近所付き合いをするのに、第一印象は大事だ。元気よく笑顔を振りまいといた。


06【やりかた】 2004.10

昨日から仮設工事が始まった。この時期、会社帰りだと既に真っ暗なので、早起きをして現場に寄ってから出社するようにした。

雑草しか生えてなかった現場が一新。興奮だ。「やりかた」が行われていた。地域によって呼び名が変わるそうで「丁張(ちょうはり)」とも言うらしい。
地縄張りの周りに「水ぐい」(垂直方向)を地面に打ち、水ぐいに「水ぬき」(水平方向)が取り付けられ、4隅は「筋かい」(斜め)で補強されていた。水ぬきの上面に釘が打たれ、それに黄色の「水糸」が張られていた。基礎の天端の高さ(GL+400mm)になるように取り付けてあるとのこと。
基礎ができるまで、簡単に動いては困る重要なものだ。ためしに靴で蹴ってみたが大丈夫だった。

やりかた写真
やりかた

また、仮設トイレが設置されウェルズホームさんの旗と看板が立てられていた。看板にはしっかりと自分の名前も入っていた。当たり前なんだろうが、すげえ〜。いちいち興奮する。


07【根切り】  2004.10

「根切り」が行われていた。まだ途中までだったが、ミニショベルが入り土を掘っていた。ミニショベルには、「小和滝工業」の文字が見れる。基礎屋さんの会社名だ。
ウェルズホームさんの基礎現場を何件か見て、この会社が施工した現場がきれいだったので「基礎工事は小和滝工業さんでやってもらうように」お願いしておいた。ひと安心。

基礎図面によると、基礎立ち上がり400mm+根入れ深さ350mm+砕石150mmなので、合計900mm水糸から掘り下げる必要がある。
しかし、昨日の打合せ(プラン打合せ参照)でGLの設定を50mm変更(上昇)したので、900-50=850mmの掘り下げが必要だ。GLが変更になったことが、きちんと現場に反映されているだろうか?

根切りの写真 GLの設定図
根切り GLの設定

08【捨てコン打設】 2004.10

土曜日なので、アドニスママと2人で現場に行く。作業中の現場が見れるかも?と期待して行ったが、お休みのようだ。黄色の防湿シートが張られ、外周部と防湿シート上の何箇所かに捨てコンが打たれていた。現場に行く度に、「おおっ、こんなになってる」って感じで、変化に驚く。

しかし、興奮しつつ写真撮影をしていると、「これ、おかしくない?」ということに気付いた。玄関、ダイニング部分の南側耐力壁の部分が掘り下げられていないのだ。このままじゃ、まずい!
早速、菅原君と志賀君に電話して状況を報告。菅原君は他の現場に出ていてすぐこちらに来れないので、時間が取れたら現場にて打合せしましょう。ということにして、ひとまず現場を離れる。

捨てコン写真
捨てコン打設

その後、菅原君から電話があり、「現場を見て来ました。こちらのミスです。作業をやり直します。ご主人様には、ご心配をおかけしてすみません。」とのこと。

いいですよ。やり直してもらえるなら。間違いは誰にでもある。間違いをした後の対応の方が大事だ。そういう意味では、ウェルズホームさんの対応は素早く好感が持てた。でも、ひとつだけ注文がある。その「ご主人様」は、やめて欲しいなあ。恥ずかしいぞ。
とにかく、ミスに気付いて良かった。。。


09【根切り修正】  2004.10

現場に行くと、修正工事を行っていた。初めて作業中の現場が見れる。うれしい。現場では、小和滝工業の橋本専務を含め3名で作業をしていた。途中、菅原君も来て説明をしてくれた。菅原君は、昨日のうちに日曜日の作業となることを近隣にお断りしてくれたそうだ。感謝です。

作業の流れを書くと、まず修正部分の防湿シートをカッターで切り裂き、ミニショベルで掘り下げる。そこに砕石を入れ、ランマーとプレートをかけて突き固め所定の高さにする。防湿シートを敷きテープで固定する。といった感じ。時間にして3時間以上。

働いた機械、道具を紹介する。
まずは、ミニショベル(HITACHI)ZAXIS30UR 買値400万円ぐらい。地面を掘る、ならす、土を運ぶ、ランマーを持ち上げるなど大活躍。操る橋本専務は、めっちゃかっこ良かった。
「ショベルの先端に栓抜きつけて、ビール瓶を開けられる?」って聞いたけど、「やったこと無い」って。

ランマー(WACKER)アメリカ製で詳細不明。プレート(MEIWA)ROBIN EY15。共にガソリンエンジンで地面の締め固めに利用する。最初にランマーをかけて、その後、プレートをかけてきれいにした。
公庫仕様書3.2.1割栗地業(P20)によると、「締め固めはランマー3回突き以上」となっているが、何が3回なのかわからんね。ダッダッダッダッダッって感じよ。

ミニショベルの写真 プレート作業の写真
ミニショベル プレート作業

深さを測る杭は、「バカ棒」と呼ばれていた。水杭用の杭に印をつけただけなのだが、土を掘ってバカ棒、砕石を入れてバカ棒、プレートかけてバカ棒って感じで利用。メジャーでいちいち測るよりも効率がいい。なぜ、バカ?
防湿シートは、ハイゼックスシート(エモト工業)厚さ0.2mm。踏んでも破れない丈夫なシートだった。テープは、エースクロス(光洋化学)。サッシなどの気密部分にも使う丈夫なテープ。 

また、これと同時に捨てコンに墨出しをして、基礎型枠(鋼製)の取り付けも行った。ベース部分と立ち上がり部の2回に分けてコンクリートを打設するため、ベース部分の外周のみ取り付ける。型枠は、出隅部、ストレート部(長さ910mm、455mm)などがあり、裏面についてる「コ」の字型のバーで連結される。

型枠の下部には、1枚の型枠に2個のセパレータと呼ばれる位置を決めるプレートを設置し、墨出し線に沿って捨てコンに釘打ちされる。セパレータには突起が設けられており、型枠をそこにセットすれば、コンクリートの厚さが120mmになるようにできている。よく考えられていると思ったら、パテント商品だ。

型枠設置の写真 セパレータ写真
型枠設置 セパレータ

水糸から捨てコンまでの距離650mm、水糸から床下部分までの距離450mmをメジャーで測定した。GLが変更になったことは、ちゃんと伝わっており問題なし。水糸から50mm上がGL+400mmとなる。また、防湿シートの厚み0.2mmをノギスで、シートの重なり280mmをメジャーで測定した。

公庫仕様書3.4.13床下防湿(P23)によると、ベタ基礎の場合この限りではないとしながらも
1.厚さ60mm以上のコンクリートを打設するか、
2.厚さ0.1mm以上の防湿シートを、重ね幅150mm以上で敷きつめる。

となっている。
我が家は、床下コンクリートの厚さ(スラブ厚)が150mmの予定なので、上記どちらも満足しており問題なし。

修正工事は無事に終了した。

修正後の写真
修正後

「工事内容01」おしまい。

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