03-19

庭と芝19

庭と芝19-窯作り〜窯の使い方

01【窯作り】
02【窯の使い方】

01【窯作り】  2007.05〜2007.08

窯作りに挑戦した。これで、ピザやパンを焼くのだ。
まず、設置場所について考える。物置の横(以前、クレマチスを植えていたが、日当たりが悪くて撤去した所)に、幅700mm×奥行500mmぐらいの小さなスペースがある。ちょっと狭いが、やるとすればココしかない。
ただし、お隣さんとの境界に接しているのが気になる所。「お隣さんのフェンスを焦がした!」とか「煙が迷惑だ!」なんて事にならないよう注意しながら、庭の片隅にこっそり作ろうと思う。

さて、窯についてネットで調べてみると、窯の内部は高温になるので、通常のレンガよりも熱に丈夫な「耐火レンガ」を使用することが分かった。また、耐火レンガを積む場合、レンガの材質と同じ耐熱強度を持つ「耐火モルタル」を使用することも分かった。普通のセメントは熱に弱く、高温で使用するとボロボロになるらしい。何の知識も無かったので、「へえ〜、そうなんだ。耐火レンガと耐火モルタルを使うんだ。また新しい事にチャレンジだ!」と、すっかりその気になっていた。

しかし、後日もう少し調べていると、この耐火モルタルにも欠点があることが分かった。こいつは水に弱い。雨ざらしにできないので、屋根を付けるとか、外周りをさらに普通のレンガで囲って二重構造にするとか、しなければならないらしい。

設置場所が狭いので、どれも無理っぽい。そんなことしたら、ピザやパンを入れるスペースがなくなってしまうぞ。普通のセメントを使って熱でボロボロになるか、耐火モルタルを使って雨でボロボロになるか、さあどっち?

悩んだ挙句、「セメントも耐火モルタルも使わない」ことにした。つまり、レンガと石を積むだけ(笑)。積んだだけの窯でやってみて、ダメだったらまた考えることにした。強度的には不安だが、とにかくどんな窯ができるかやってみよう。

購入したのは、耐火レンガ(SK32)(114X230X65mm)80個@189円と、大谷石(300×600×50mm)1個。@1.600円。天井のみ大谷石を使用し、その他は耐火レンガを使用する。SK32は1,200度まで大丈夫とのこと。
耐火レンガは、1個3.5kg。80個積んだら280kgにもなる。基礎は、しっかりさせないと沈むかもしれないので、土を掘って突き固め、砕石(5cm)、コンクリート(6.5cm)を打った。

また、お隣さんとの境界に沿って、ラティスフェンスを設置した。これで、お隣さんのフェンスが焦げる心配をしなくてもいい。もし焦げるとすれば、自分のフェンスだ。

基礎写真
コンクリを打った様子

このままじゃ見てくれが悪いので、ペイビングすることにした。ペイビングレンガは、230×230×40mmを12個@198円と、230×114×40mmを8個@98円で購入。コンクリの上に空練りのモルタル(セメント1:砂3)を盛り、水準器を使ってきっちり水平を確認しながら、目地幅ゼロで、レンガを敷き詰める。

今回、230角の正方形サイズを使ってみたが、これが正解。ペイビングレンガは、大きなサイズを使った方がいい。当たり前のことかもしれないが、敷く枚数が少なくなるので、高さの調整が楽だ。

たて樋、ラティス支柱と干渉する部分は、レンガをグラインダーでカット。外周部分のレンガは、モルタルでガッチリ固定。窯の周りまでレンガ敷きにしたので、灰の始末とか掃除も楽チンになるハズ。これで、基礎工事は完了。

ペイビング写真
ペイビングして基礎完了

この上に、耐火レンガを積む。外寸は、横3マス(690mm)奥行き2マス(460mm)とした。奥行きがもっと欲しいが、やむを得ず。1段当り12個を使用し、目地幅ゼロできっちり詰めて2段積む。ここが焼床になる。

焼床の上に壁を作る。開口部が手前になるよう「コの字」型にレンガを7段積む。レンガの目地は、芋積みにならないよう半マスだけずらすのだが、1丁半や半マスのサイズは売っていなかったので、これもグラインダーでカット。

天井には、大谷石とレンガ3個を積んでフタをする。焼床から天井までの内寸は、幅460×奥行345×高さ455mm。

レンガ積み写真
耐火レンガと大谷石を積む

扉は木製。2X4材を555mmに切り出して、塗装。内側にアルミ板(t5)をネジ止めして、延焼を防ぐ。蝶番を付けて観音開きにするつもりだったが、窯に固定せず置くだけにした。狭い場所なので、こっちの方が使い勝手がいい。
これで窯の完成!レンガは積むだけなので、とっても簡単。

窯の完成写真
窯の完成!

02【窯の使い方】  

まず、焼床で薪や炭を燃やし、レンガに熱を蓄える。薪だと煙がたくさん出て、お隣に迷惑がかかるかもしれないので、炭を使っている。ただし、炭を使っても多少の煙は出るので、風向きに注意。

着火したら、炎が出るまでウチワでひたすらパタパタする。ブロワーを使ってみたが、ちと風が強すぎる。火の粉がバンバン自分に飛んで来て危ない。

窯の大きさによって時間は違うと思うが、我が家の場合、耐火レンガの外側が熱くなるまで、3kgの炭で1時間以上かかる。火の番をするのも楽しみの一つ。あせらず、のんびりと。

炭の写真
炭に着火してレンガを熱する

その間に、ピザやパンの準備に取りかかる。詳しいレシピは、各自ネットで検索を。まだ試行錯誤している段階だが、パン生地を手でこねるのは、すごい大変で難しい。

発酵の写真
パン生地の一次発酵

レンガがアッチッチになったら、熾き火を両脇に寄せるか、窯の外に出してスペースを作り、そこにピザやパンを投入する。熾き火をかき出す道具や、金属製のチリトリなどがあると便利。

あとは、扉を閉めて待つのみ。我が家の窯だと、ピザで10分、パンで30分って感じ。電気オーブンと違い、温度管理している訳ではないので、どんな風に焼けるか分からない。最初に作ったパンは、火力が弱くて半生だった。でも、楽しい。扉を開ける瞬間がワクワクして、たまらない。

かぼちゃパンの写真 食パンの写真
かぼちゃパン 食パン

レンガ7段積みだと、天井が高すぎて上火が効かない。焼き色が付くまでに時間がかかるため、パンの底だけ焦げる状態になった。燻製も作りたいと思って、レンガを高く積んだが、パンを焼くだけなら窯の高さはもっと低くて良い。

我が家の窯は、ただ積んであるだけなので、簡単に高さを変えることができる。パンを焼くには、4段積みぐらいがちょうどいい感じ。最適サイズは、各自でお試しあれ。上手に焼けた時のうれしさは、やった人にしか分からんだろう。


「庭と芝19」おしまい。

Back Home Next